オズワルズの音楽・広報PR雑記

メジャーレーベル音楽ディレクターとPRコンサルタントの情報発信ブログ

メジャーレーベルでの楽器のレコーディングはどのように行われるか  

今回は楽器のレコーディングについてお話したいと思います。

楽器のレコーディングはボーカルの撮りとは少し雰囲気が異なって、

より職人的な技術力が必要になってきます。

 

その道一流のプロのプレイヤーに対して指示を出すのですから、

中途半端な耳や音楽知識では太刀打ち出来ないのです。

 

ノイズが乗っていないか、音はきちんとあっているか、

グルーヴは曲に適しているか、リズムはズレていないか、

等基本的な部分に関しては瞬時に判断して必要な部分だけリテイクしていきます。

 

場合によってはアレンジャーさんとも相談して、

その場でフレージングを変えていく必要もあります。

五線譜も読めるに越したことはないでしょう。

 

ストリングスやブラスの編成もののレコーディングでは、

一気に複数の音が鳴るので、違和感を感じた場合の原因をすぐに突き止める聴力が必要ですし、

スタジオによって音の鳴り方も違うので、マイクの立て方にも気をつける必要があります。

(機材に関してはエンジニアさんと協力して進めていきます。)

 

でも楽器のレコーディングは音楽好きなら本当に楽しいですよ。

なにせ最高のプレイヤーの演奏を最高の音質で生で聴けるんですから!

 

大変なことも多いですがその分やりがいもある作業です。

 

オズワルド1号

メジャーレーベルでのボーカルレコーディングはどのように行われるか  

今日はレコーディングについてお話したいと思います。

レコーディングと一口にいっても、

楽器と歌のレコーディングでは結構気を使うポイントが違います。

 

ボーカルレコーディングの場合は

本人の感情がダイレクトに歌声にのりますので、

楽器以上にその場の雰囲気作りを大事にしないといけません。

 

例えば明るい歌を撮りたいのに、

ダメ出しばかりしていたら歌声も明るい雰囲気にはなりにくいのです。

 

最終的なボーカルレコーディングのクオリティを上げるためには、

歌い手に信頼してもらえるような関係を瞬時に作り出すことが大事です。

その為にはこちらから指示出しする際の口調、言葉の選び方に特に気をつけなければいけないですし、

音楽的にも的確に指示出しを行わなくてはいけません。

 

「あ、このディレクター分かってないな。」

と思われた瞬間にもうその現場を監督することは難しくなるでしょう。

 

そうならない為にもレコーディングする楽曲への理解を深め、

歌い手への理解を深め、相手を常に納得させられるように指示を出します。

 

歌声を撮る、という作業はシンプルなように見えて本当に奥深いです。

 

オズワルド1号

【音楽業界裏話】どんな曲がコンペで採用されやすいか  

今日は裏話的な内容です。

昨今音楽業界では「コンペ」と呼ばれる、

リリース枠に対して発注シートを元に幅広く楽曲デモを集める方法がメジャーとなりつつあります。

 

もちろん集まった楽曲が全てリリースになるわけではないので、

その過程で選考作業が行われています。

 

採用に至る過程はレコード会社、案件によって様々ではあるかと思いますが、

ぶっちゃけディレクター、プロデューサーの好みにマッチしているか、が一番重要になります。

そんな適当な、、と失望するかもしれませんが、

担当者が気に入らない限りリリースが行われないのも事実です。

 

でも発注担当者の好みやパーソナリティなんて知らない場合が殆どですよね。

ではどのようにそれを見極めるかというと、答えは「参考楽曲」と「過去作品」にあります。

 

発注シートには殆どの場合コンセプトやテーマと共に

例えばこんな感じの曲です、というような参考楽曲が記載されています。

 

担当者も自分が嫌いな曲を例として上げるわけがないので、

その曲の良い部分を解釈してオリジナルに落とし込めれば採用への道はぐっと近くなります。

 

過去作品についても同様です。

過去作品はいわば担当者が認めてリリースしたものリストになるわけなので、

何か統一した雰囲気やリズム等を発見出来たらきっとそれが担当者が良いと感じるポイントなんです。

 

コンペでの採用率を上げるには細かいアレンジを詰めていくよりも、

発注の意図を知り好みを探る方に時間を掛けたほうが採用率はあがるでしょう。

 

オズワルド1号

 

音楽ディレクターの仕事内容とは

オズワルド1号です。

改めまして私は某メジャーレーベルにて音楽制作ディレクターをしているのですが、

原盤制作(CDの中身づくり)の流れを今回はお伝えしたいと思います。

ざっくりですが、音楽制作は以下の流れで行われます。

 

1.楽曲コンセプト打ち合わせ

2.作家さんにメロディー、歌詞を発注

3.何度かやり取りをして方向性を固める

4.アレンジャーさんにアレンジを発注

5.ボーカル、楽器のレコーディング

6.アレンジの修正などブラッシュアップ

7.ミックスダウン

8.マスタリング

完成!

 

2~6までの作業の順番は割と入り組んでいたり、

場合によっては作曲家さんがアレンジャーを兼務したりすることもあるのですが、

大凡こういった流れで楽曲はつくられます。

 

これがシングルを作る場合だと2~3曲、

アルバムの場合だと10曲〜くらいを

進捗ステータスをずらしながら並行して進めていく形となります。

 

場合によっては1アーティストだけでなく複数の案件を抱えていたりするので、

マルチタスクでスケジュールに間に合うよう進行管理し、

且つ高いクオリティを目指して行かなかればならないのです。

 

大変な仕事ですがやりがいはありますよ。

是非音楽業界への就職を目指している方は参考にしてみて下さい。

 

オズワルド1号

【音楽作家・アレンジャー向け】ミックス用データ共有のコツ

本記事は主に若手作編曲家さん向けの記事です。

前回はステムデータについて簡単に説明しましたが、

今回はパラデータ(マルチデータ)についての記事です。

 

とはいえパラデータはシンプルに

「ミックスされていない単独トラック毎のデータ」

という理解でOKです。

 

そしてパラデータは基本的にドライデータ

(空間系エフェクトがかかっていない状態)で書き出す。

というのは鉄則ではありますが、

サイドチェインに関しては基本的に掛けた状態で書き出しておくのが望ましいでしょう。

 

もしもトラック全体にダッキングさせるなど、

単独での処理だけでは対応できない場合は、

そのままノンエフェクトで書き出して

ミックスエンジニアさんにテキストデータか

メールの本文かで伝える等してもOKです。

 

その他にも判断に迷うことがあったら、

とりあえず2種類書き出しておいて、

良き方をお使い下さいとテキストを添えておくと安心かもしれません。

 

と、ざっくりですがパラデータの運用方法について記載しました。

みなさま、良いミックスライフを!

 

オズワルド1号

 

 

 

 

【音楽作家・アレンジャー向け】ステムデータって一体何?

本記事は主に若手作編曲家さん向けの記事です。

 

作・編曲家として仕事をしているとレーベルから

「REC用データを下さい!」

あるいは

「TD用データを下さい!」

等と各種ファイルの提出を求められることがあります。

 

この違い、ちゃんと理解できていますか?

「REC用データを下さい!」

と言われた場合一般的にはステムデータを提出することになります。

(プリプロ等簡易的にRECする場合はインスト2Mixで行う場合もあります。)

 

・ステムデータとは

グループトラックに分かれている.wavデータ。

レコーディングのPro Toolsセッション上でインスト2MIXを簡易的に再現する際に使用します。

 

グループで大きく分けたファイルを使うことで歌い手・プレイヤーさんから

リズムを大きくして歌いたい・演奏したい、

等といったリクエストを頂いた際に応えられるようになります。

 

例えばドラムはクラッシュシンバル.・ハイハット等細かく分けずドラムキットとしてひとつのファイルに纏める、

ギターもバッキングはグループトラックで書き出したりするのが一般的です。

(プロジェクトによってはドラムはスネア・キックは別にしたり、ギターもソロは別で分けたりすることもあります。)

 

細かく分けすぎないことで現場で調整する手間が減り、

「リズムをもう少し聴いて歌いたい!」

というリクエストに対して即座に

「ドラム上げてながしてみますね!」

といった対応が出来るという理屈です。

 

ステムデータの必要性、ご理解頂けましたか?

次回はパラデータについて説明しようと思います。

是非参考にしてみてください!

 

オズワルド1号